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カタカナの「センス」

 人物の評価にカタカナの「センス」という言葉が用いられるときがある.センスがある,センスがない,センスが良い,センスが悪い,等々.こういった文脈での「センス」は,往々にしてどこか神秘的な雰囲気をもつがその内実がわからない,やっかいな未定義語である.なので,私は「センス」という言葉を使った評価を基本的に信用していない.なんやねん,センスって.

 センスという言葉を軽々しく口にしないでほしい.得体の知れない,ときに神秘的ですらある言葉に寄りかかって,思考停止しないでほしい.少なくとも,きちんと「厳密な説明のためには大変な時間と労力が必要であり,また私の能力不足もあってこの場で君にきちんと伝えることが難しい,理論による定性的評価と統計による定量的評価と私の長年の経験による勘をええ感じに混ぜ合わせたものに基づく知識の総体から導出される評価基準により定まる君の能力値を便宜的に『センス』と呼ぶことにしたい.さて,君はセンスが悪い」とか言ってほしい.あるいは,もっと簡潔に「君あかんと思う,俺の勘では」とか.