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走れオタク 参

「大丈夫ですか?」 不意に頭上から声がふってきた.ムロトはそっと頭をもたげ,目を開けて息を呑んだ.サトウの未来の花嫁にして,今をときめく人気声優が心配そうにムロトの顔を覗き込んでいた.ムロトは跳ね起きて素早く距離をとった.もちろん,抱き枕カ…

走れオタク 弐

ムロトは激しい頭痛に苛まれながら目を覚ました.生まれてきたことを後悔したくなるような頭痛だった.もっとも,後悔すべきは飲みすぎたことなのだろうが.なんとか起き上がろうとするが,身体がいうことをきかない.仕方なく,ムロトは起き上がるのを諦め…

走れオタク 壱

ムロトは激怒した.必ず,かの度量の大きいリア充を破滅させねばならぬと決意した.ムロトには三次元がわからぬ.ムロトは,二〇世紀末からゼロ年代にかけての各種創作物で散々ネタにされていたような,古式ゆかしい陰のあるオタクである.もっとも,ただオ…